ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛

ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛(The Chronicles of Narnia: Prince Caspian)
★★★
監督:アンドリュー・アダムソン
原作: C・S・ルイス
音楽: ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

前作が面白く見られたのはとにもかくにもティルダ・スウィントン演じる白い魔女の威厳のおかげだと思います。あのキャラの立ちまくった魔女が終盤剣を持って立ち回る姿はボスキャラにふさわしいもので、おかげで倒した後の平和になったナルニアの姿に大きなカタルシスが得られたかと思います。
それに比べると今回は物語全体を引っ張るのに充分なキャラクターが不在です。カスピアン王子は結局角笛吹いて4人の子供たちをナルニアに呼び戻す以外、実質的に何もしていない木偶の坊に見えてしまい、敵方の悪役も役者としてそれほど魅力がない上に、取り巻き達の立ち居地がハッキリしないので、終盤の4人きょうだいの長男とテルマール人側のリーダーとの一騎打ち後のある人物の行動もピンときませんでした。
ということで映画としては平坦な出来なのですが、シネスコ画面いっぱいに兵士とカタパルトが並んで合戦していると無条件で好反応を示してしまう人間なので★★★としました。
しかし原作の時点で指摘されているように、キリスト教色の濃い作品ですね。アスランの存在を強く信じる次女にだけアスランが最初見えて、残りのきょうだいやカスピアンはそれを信じないから見えないというのは、信仰心の強さを試されるキリスト教徒の姿を思わされました。