ドラゴン・キングダム

ドラゴン・キングダム(The Forbidden Kingdom)
★★★☆
監督:ロブ・ミンコフ
出演:ジャッキー・チェン, ジェット・リー, マイケル・アンガラノ

カンフー映画好きにはゴジラガメラ級の夢の対決のようですが、個人的には『ライオン・キング』の監督がこの作品撮ってることの方が驚き。

見事な序破急の構成。序のジャッキーの酔拳(!)で観客のジャッキーへの愛を取り戻させ、破のジャッキー対ジェット・リーの対決で映画は異常なほどの緊張感を持ち対決から共闘へ、急のジェット・リーの活躍で2人1役の意味がお遊びではなく、必要なものであったことが明かされ物語はおさまるべきところに終結していく。カンフーオタク少年の成長はあくまでアメリカ人観客向けのオマケだが、かつて師弟関係の弟子であり、教授される側だったジャッキーが教える側になっているのには感慨深いものがある(残念ながらテレビのゴールデンタイムで滅多に過去の作品が放送されなかったのでジェット・リーには思い入れがないのだ)。
香港映画のポスターをつかったオープニングが素晴らしい掴みで、「ドラゴン入ってますよ」とはっきり主張している。
スパローの存在感が2大巨頭に挟まれて薄くなってしまったのが唯一残念。

以上が映画を見た後の感想で素直に好きな作品なのだが、一つだけ鑑賞中ずっと気になっていたのが劇中で使われる言語。カンフーオタク少年が(ナゾの時代の)中国にタイムスリップしてから、劇中の中国人役者は中国語をしゃべったり英語をしゃべったりと言語に統一感がないのだ。ここはもう少年が中国に飛んだ時点で中国語が理解できる才能がそなわってしまったことにして、「劇中ではあくまで英語をしゃべっているけど本当は全て中国語で物語は進んでいるんですよ」とすべきだった。