インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull)
★★★
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:デビット・コープ
出演:ハリソン・フォード, シャイア・ラブーフ, レイ・ウィンストン, カレン・アレン, ケイト・ブランシェット

どこまで書いたらネタバレなのか、ということについて少し考えさせられてしまいました。ニューズウィークのレビューでこの作品のテーマは「○○○と×××で」(あえて伏せておきます)その点に関してはうまく消化している云々、と書いてあったと思うのですが、この「○○○と×××」こそ本作品の最大の見せ場というか、驚かせどころなので、このような書き方をされてはネタバレも一緒です。映画のレビューは出来れば予告から読み取れる範囲内に留めて欲しいと思いました。
で、本編に関して。スピルバーグ基準で言えば平凡かなぁというのが正直なところ。ケイト・ブランシェットソ連将校が「それ明らかにナチのイルザやろ!」とか小さい虫がウジャウジャ人間に寄ってきて気持ち悪いとかスピルバーグは相変わらず好きなことをやっているのですが、19年待たせてこれかよ、と仕掛けの大きさ(つまり○○○と×××)の割に物語は意外に小さくまとまってしまった感があります。アカ狩りの時代背景を取り入れてはいるものの、これもバックグラウンドに過ぎず、あくまで今回は娯楽に徹した職人的な手堅いつくりになっています。
唯一気になったのはクリスタルスカル古代文明の関係についてなんですが、古代人が○○○に文明を授かったというのは過去への敬意を欠いたものであり、歴史への敬意を欠いて過去の遺物を兵器利用しようとするナチを敵役として2度も出しているインディ・ジョーンズという作品にはふさわしくないかなと思いました。
まぁスピルバーグにとっては『宇宙戦争』『ミュンヘン』といったジェノサイド映画後の息抜きみたいな作品でしょうから、次回また強烈なのが来るのを期待することとします。