今年最初の映画たち

その男、ヴァンダム:★★☆
得意のアクションを封印して(オープニングで見事なワンショットのアクションはあるが)自虐ネタに走るヴァンダムの英断には拍手を送りたいが、しょぼくれ具合がギャグにならないレベルにまで落ちてしまってる。あと何で1500円(前売り料金)も木戸銭払ってヴァンダムの愚痴を延々と聴かにゃならんのか?あれは演技じゃないぞ(実際アドリブらしいが)。
この監督、本当にヴァンダムが好きなのかなぁ、と疑ってしまいました。もし木曜洋画劇場のスタッフやそのファンと同じ目線でファンならば、ラストの映画的幻想をそのまま現実として「ヴァンダホー」なエンディングにしたと思うんですが。ベルギー人の異常なヴァンダムへの思い入れは面白いものの正直期待外れ。

ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂:★★★
墓場の鬼太郎のことも忘れないでやってください、ケッケッケ。
周囲からの孤立が大きな悪を蘇らせる原因となるという展開は面白いですが、終盤ドラゴンボールばりのパワーインフレが起きてるような気がしました。自分は3期鬼太郎世代なのですが、ここまでバトルアニメじゃなかったような・・・。妖怪たちの住みかが墓場や森ではなく、妖怪横町という“町”になってしまったのは、もはや現実の日本に妖怪の住処がなくなってしまったということでしょうか。
まぁ面白くはみられたんですが、これを正月映画持ってくる東映の編成はまずいんじゃないの?明らかに弾数が足りてないでしょ。東宝は「K−20」「私貝」「ブリーチ」「メジャー」「たまごっち」の大盤石の態勢、松竹は(コケたが)「只野仁」と「赤い糸」、館数は少ないが「トミカヒーロー レスキューフォース」とそれなりに頑張ってる中、東映は「鬼太郎」一本で冬乗り越えようというのは無謀としか言いようがない。東宝なら主菜じゃなく副菜だよ。もうちょっと頑張ってくれ。

チェ 28歳の革命:★★
これ書くと頭の悪いやつかと思われるでしょうが、つまらない映画でした。ゲバラ初心者だから背景がよくわからないというのもあるのでしょうが、独裁政治と大地主に搾取されている農民や民衆を解放した革命のリーダーであるゲバラを描く映画なのに、その搾取される人間がまるで描かれていないので、彼が何のために戦っているのか最後まで不鮮明でした。しかも国連での演説に至る後年のシーンをインサートするので物語が分断されてしまってまるで話に入り込めませんでした。あとカメラ寄りすぎ!揺れすぎ!
元々ソダーバーグは合わない監督だったんですが、今回で確信に至りました。第二部は見ません。

ということで今年は出だしから不調です。何本よい映画に巡り合えるのでしょうか?