桂樹の陰で

小林桂樹と同じ日に亡くなったので、ただでさえ目立たない矢野宣の死去がほとんど報じられていない。
誰それ?という人も多いと思うのでちょっと説明。
邦画好きなら絶対見ている『新幹線大爆破』で「俺は名古屋で商談があるんだ。いくらでも払うからおろしてくれ!」と無茶振りするビジネスマン。あれが矢野宣であります!その後新幹線に爆弾が積まれていることを知って「びゅわーんびゅわーんはーしーる♪青い光の超特急♪」と歌うねじのとんだ演技設計に光るものがあるすばらしい役者でありました。
伊丹映画の常連役者でもありました。伊丹映画で一番大きな役は『スーパーの女』の正直屋の副社長でしょうか。いつも不機嫌な顔をしている人ですが、一際ふきげんさを増してましたね。
こうして日本映画は豊かな脇役をなくしていくのだな、とさびしくなるのでした。