ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(Hot Fuzz)
★★★☆

監督:エドガー・ライト
脚本:エドガー・ライトサイモン・ペッグ
音楽:デヴィット・アーノルド
出演:サイモン・ペッグ, ニック・フロスト, ジム・ブロードベント, ティモシー・ダルトン, ビル・ナイ

あまりに賞賛の声が大きすぎて、見てみると肩透かしといことは何事にもあるものですが、今回の『ホット・ファズ』もそんな一本でした。バカミステリー(『ウィッカーマン』にピンときたあなたは見に行くべきだ!)としては最高に面白い上に、終盤の畳み掛けるような狂ったシチュエーションでのアクションには狂喜してしまいますが、あまりに絶賛の声が大きいのでこれのさらに斜め上の展開があるに違いないと思い込んでしまって、終わったときには「あれ、これでおしまい?」という感じでした。何も知らずに見られれば、大好きになれたのかなと思わずにはいられません。
編集はテンポが良いというより荒っぽく、『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』を思わせるもので、ああいうのが好きな人にはたまらないでしょう。映画のリズムは「出来すぎるが故にド田舎に左遷されて、事件だっていっているのに誰も信じてくれない」という前半のタメが効いているので、後半のフルスロットルになったときのスピード感がたまりません。前半の田舎の閉鎖性が後半で恐ろしいぐらいうまくギャグに昇華されています。
アクションあり、ミステリーあり、スプラッターあり、ギャグありで、映画の面白さがつまった作品ではありました。これが水野晴男が見た最後の映画というのも何の縁でしょうか。でもイギリスの警察も好きだったのかな?
最後にティモシー・ダルトンが『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のダニエル・デイ・ルイスにそっくりで笑えます。