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WALL-E/ウォーリー:★★★★
巨大資本による人間の家畜化(何も考えず与えられたものを消費するだけの存在)というグロテスクな未来社会がコミカルに風刺されている(あの音楽の使い方のバカバカしさ!)。その一方でウォーリーの他者と手を握りたいという願望の人間らしいことよ。人間なのに非人間的な存在とロボットなのに人間的な存在の対比が見事な傑作でした。
故障したロボットの収容所の描き方は『カッコーの巣の上で』かな。ちょいとドリームワークス的なブラックユーモアでした。

252 生存者あり:★★☆
サイコロをランダムに振って1が10回連続で出る確率は6千46万6千176分の1だそうです。この映画はその馬鹿げたケタ数の偶然が連続して起こるあまりにも観客をバカにした脚本です。大阪人の新製品のところはもはやギャグでしょ(実際失笑してる人がいた)。そもそもルー大柴の使い方で嫌な予感はしてはいたのだが、この監督、シリアスな作品撮る素養がない。説得力のある演出がまるでなされてない。大体さ、2・5・2って律儀に叩く必要あるの?例えば他に雑音があるからそれと混ざらないように、と言う具合に行動の必要性をちゃんと提示してくれてるなら別よ。
終盤、弟だから助けに行くという話になってしまっているのもマイナス。身内と他人も救助に当たっては同じ扱いと言うテーマはどこいったの?どこいったといえば台風はどこいったんだ?あれが台風一過か?あと無駄なスロー。18分しか救助時間ないんだからさ、無駄なことに時間使うな(映像的にも)。なんかね、もう全てにおいて駄目。リメイク版の『日本沈没』がまだちゃんとした映画だと言うことがよくわかった。唯一良いところは、都市災害の描き方に容赦がないところ。もっと人死んでもよかったけど。