冬のジェイソン・ステイサム祭り

デスレース:★★★☆
ロードのパネルを押すと武器が使えるってマリオカートまんまですね。2人乗りだからゲームキューブ版やりこんだか?ミラ・ジョボビッチと?>ポール・W・S・アンダーソン
殺人レースを見る客を見せないと言う点で非常に閉じた世界観の映画だと思いました。でもそれはデスレースを見る人=映画の観客=ゲームのプレイヤーという概念が監督にあるからなのかな。ジョーン・アレンはこれをキャリアダウンになると考えずに出演しているところが偉い。おかげで作品の格が一個上がった。ジェイソン・ステイサムは走り屋役者という珍しい位置にいるので、作品中で詳しく説明されなくても元プロのレーサーという設定が説得力を持っています。ポーラ・ワーグナーロジャー・コーマンの名前が同じ列でクレジットされるところがハリウッドがデスレース2000年な状況になっていると言う感じ。何も考えずに楽しめると言うB級娯楽映画の王道を行くいつものW・S・アンダーソンの手堅い作品でした。

バンク・ジョブ:★★★★
今度は中古車屋ですよ、ジェイソン・ステイサム。やっぱり車と縁が深いようで。何事にも自分の知らない大きな力が働いて物事が動いている、と言う考えが背景にある作品でした。今回のケースであればイギリス王室の力だったり、政府の力だったり、暗黒街の力だったり。そういうどうしようもなく途方もない力をはねのけるのを目の当たりにしたとき、その映画に大きなカタルシスを感じるわけですな。よくもまあこんな事件があって、それをうまく乗り越えたな、と映画の出来もさることながら、事実の重みに驚く作品でした。ケイパーものでは久々の快作です。
ちょっと前なら(今はなき)日比谷映画でかかるような作品なんだけど、今の世の中じゃ渋谷単館上映になってしまうのが悲しい限り。