最近の映画

いやー、丸の内ピカデリー系(1・2・3)は『ヤッターマン』以外ボロボロですね。コケたら『おくりびと』のデスマーチはいつまで続くんでしょうか?

ザ・バンク -墜ちた巨像-:★★★
公開した時期が悪すぎた。何しろサブプライムローン問題に端を発した世界恐慌で銀行(と証券会社)がいかに地味でデタラメなことをやっていたのかが世界中に知れ渡ってしまったので、この映画のように銀行が「映画的に」わかりやすい悪事(要人暗殺、武器の密売、マネーロンダリングetc)に手を染めている作品というのはリアリティを失ってしまったような気がしまいます。例えば『ジェイソン・ボーン』シリーズが生まれた後のスパイ映画のリアリズムの問題なんかと同じ構造ですね。インターポールに逮捕権がないというのは勉強になりました。あと美術館での銃撃シーンはスタイリッシュでいいです(スコアも監督が手掛けてるという珍しいパターン)。しかしクライヴ・オーウェンは住所不定な仕事が続くなぁ(そこがワイルドで好きなんだが)。


トワイライト -初恋-:★★☆
これがアメリカの「スイーツ(笑)」層のお花畑思考の具現化なわけなのね。不慣れな土地で周囲との関係に違和感を持っているところに白馬の王子様が現れてくれるけど、彼とは結ばれてはならない哀しい運命があるの、と。白馬の王子様であるところの吸血鬼が主人公の血を吸いたいけど我慢する、というのはあからさまな性衝動の抑制のメタファーでしょう。セックスのないプラトニックで美しい純愛を吸血の抑制で表現しているとしたら、「動物を食べるから僕らはベジタリアンさ」というセリフは「オナニーしてるからセックス我慢できるよ」ってことか(爆)。この辺の禁欲的恋愛は、『アメリカ人の半分はニューヨークの位置を知らない』でもふれられていた「シルバーリング運動」を思わせます。
しかし何で白馬の王子様であるバンパイアはこの主人公の女の子にそこまで惚れるかね?その姿に説得力はないし、何かしらの伏線があってのことでもないし。もっとも「スイーツ(笑)」な娘さんにとっては平凡な女の子の方が自分自身を重ねやすいんだろうけど。
あ、でもね、次回作もちゃんと見ますよ。ダコタ・ファニングVer.2.0が出演するので。