サマーウォーズ

サマーウォーズ:★★★★

監督&原案:細田守
脚本:奥寺佐渡

デジモン ぼくらのウォーゲーム』との相似性については省略。細田監督の『時をかける少女』との関連性に関しても割愛。各所で指摘されているので今更公開から1カ月もたっていうことではないから。
自分が気に入ったのはデジタルとネットのインフラストラクチャーが進化した時代(現在ではない)であっても「食事という行為」はそういったデジタルなものでとってかわれるものではなく、さらに言えば、食事の場こそが人間のきずなを深めるものであるということを描いた点。偶然にも同じく夏休み映画となった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』と主題が同じなのだ(食事で皆のきずなを深めようとしたレイの姿がそうね)。核家族化、個食化が進む中で、世界崩壊の危機を救う基盤が食事という人間の根本的な営みにあるというのはなんともプリミティブではあるものの心揺さぶられるものではないか。
もう一つ気に入った点。永六助あたりなんかが喜んでいいそうな、デジタル世代は冷たい人の顔が見えないコミュニケーションで、アナログな旧来型の人と人とが向き合ったコミュニケーションこそが本来あるべき姿だ、などという単純なアナログとデジタルの二項対立の構図という陳腐な落とし方をしていない点。それを象徴するのがヒロインの最後の勝負に手を差し出すのが顔の見えないデジタルの世界の向こうにいるドイツ人少年であるというところ。デジタルでもアナログでも人間の関係は有機的なものとして積み上げられていけるんだ、という新しい世代観が垣間見られました。とはいえこれもデジモンの焼き直しであったりするんだけど閑話休題
この作品、メインキャラクターがワタクシの実名と同じでして、そういう点で他人事じゃない感じがして、そういう点でも好きな作品となりました(自分の性では特殊な名前なだけに特に)。
唯一欠点をあげるとすればOZの世界での格闘の入力がキーボードであること。それどういうインターフェースでどう修行すれば強くなれるの?